住本かずのり後援会
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11月14日(火)14:00~15:30
逗子市行政視察
「海水浴場の健全化及び活性化について」
逗子市では、2013年に起きた海水浴客同士の殺傷事件が契機になり、海水浴場の健全化について神奈川県、逗子市、地元住民、店舗組合などからなる協議会が立ち上がって議論が始まった。その年、ここでは人気音楽グループが経営する海の家が大人気で、73万人を超える入場客数があるほどであった。しかし、音楽による騒音、BBQから出るゴミ問題、若者同士のトラブルなど、人が集まるほど健全化が崩れていき、地元住民やファミリー層の足が遠のく状態になっていった。
行政では、神戸市の須磨海岸での健全化条例などを参考にして、日本一厳しい条例制定に向けて取り組みを始めた。そして、市長の決断で議会の承認を経て新たな「安全で快適な逗子市海水浴場の確保に関する条例及び施行規則」が改正制定された。
改正前:飲酒はどこでも可→砂浜禁止、海の家では可能
BBQ、遊泳区域外可能、海水浴場開設時間外は可能→砂浜禁止、海の家可能
(開設時間外も含む)
入れ墨、タトゥー、事業者露出禁止→利用者は他の利用者を畏怖させるものは禁止、事業者は露出禁止
音楽、事業者のみ規定有 →事業者は楽器、拡声装置使用禁止。利用者は、拡声装置禁止。アコースティック可。
営業時間、閉店20:30→閉店20:00
水上バイク、安全水域設定→安全水域拡大、海上での区域分けの更なる明確化
以上に改正されたのだが、海の家事業者からなる逗子市海岸営業共同組合からはあま
りにも厳しすぎるとの意見が噴出して、条例取り消しを求める裁判までに発展した経
緯がある。市は一時は、海水浴場を閉鎖するまでの覚悟を持ち交渉したとの事。
施行後は、来場客数は激減し半数以下にまで落ち込んだ。しかし、健全化は推進した現在は30万人を回復し、夏以外も様々な企画を実施している。例えば「海岸映画祭」など浜辺での映画会、「光の波プロジェクト」などを実施して一年中楽しめる海水浴場を目指している。そしてファミリー層、女性客に選んでいただける逗子海岸になった。
70万人を超える海水浴客が訪れる須磨海岸においても、逗子同様の問題がある。入場数(量)を求めるのか、健全化(質)を求めるのか、難しい課題である。神奈川湘南地区は数多くの海水浴場があり、差別化を図るためにも、いち早くターゲットを絞り健全化で謳ってファミリー層、女性層の取り込みに成功したとのことであった。しかし、多様な客層を対象としなければならない須磨海岸では、どこまでの規制をするべきか。BBQ禁止、喫煙は決められた場所以外禁止、花火時間規制、タトゥー露出禁止、テキーラ、ウオッカなどのアルコール度数の高い酒提供禁止など、日本でも厳しい規制を先駆けて実施してきた須磨海岸であるが、今年度も泥酔者の通報件数は昨年とそう変わっていない。ただ、監視を厳しくし早期の声かけを行った結果、緊急搬送数が減ったのは成果であったと思うのだが、アルコール度数の高い酒を外部から持ち込まれてしまえば規制も形骸化する。来場者全員をチェックすることも不可能である。泥酔者の通報件数、事件、事故などが増えるようであれば、逗子市のような全面飲酒禁止の検討も必要となってくる。また、須磨海岸のような広大な海水浴場であれば、エリア規制も可能であると考える。今後、他の海水浴場の規制等も検討して、地元事業者との意見も聞きながら、須磨海岸の健全化を促進したいと考える。