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米国視察報告・シアトルYMCA~シーフェアパレード編(6)

2017.11.9

2017.7.29  9:00~

 

シアトルYMCAの式典に出席-今井ガーデン除幕式 at West Seattle YMCA

神戸YMCA 井上 真二氏

West Seattle YMCA Shalimar Gonzaled 氏

 

シアトルYMCAと神戸YMCAは、1957年に神戸市とシアトル市との間に姉妹都市提携が結ばれた後、1960年の神戸YMCA60周年に当時のシアトルYMCA副総主事が、また1963年にはシアトル市長が神戸YMCAを訪問され、その後パートナーYMCAとして交流を深めている。

その中でも、神戸YMCAとシアトルYMCAの関係に尽力した故今井 鎮雄氏を称え、シアトルYMCA敷地内に記念碑と日本式ガーデンの序幕式に出席しました。

今井氏は1966年に、神戸・シアトル間に初めて交換留学生を派遣してシアトルYMCAとの友好関係を今日まで築き上げてきた人物です。

今井氏は若者に焦点を当てて、YMCAを通じて国際人に育てあげることに指導力を発揮して多くの若者に偉大な影響を与えました。また、シアトルYMCAの私たちにとってもとても重要な人物でした。

引退するまで、私たちとの関係性を重視して51年間、神戸・シアトル間の友好を継続してきたことに敬意を表し、今井鎮雄記念ガーデンをWEST SEATTLE

YMCAに設立した。また今後の友好関係、協力関係を継続していきたいと思っています。

11:30~ 14:30

ハレル議長の自宅に招宴

シアトル市会議長のハレル氏の自宅に招かれ、昼食会に参加。神戸シアトル友好団と、ハレル氏の友人・知人が招かれており情報交換会を行った。映画俳優や、地元の日系スーパー経営者なども来ており、多方面からのお話が聞くことができた。

17:20~

神戸・シアトル姉妹都市60周年記念パレードのため、シーフェアパレードに参加

シアトル市内の最大のパレードであるシーフェアパレードに出席するため、シアトルセンター内の神戸ベル前に集合した。(1962年に神戸シアトル姉妹都市提携記念に神戸が送ったお堂と釣り鐘)

その後、スペースニードルの麓に設営された、シーフェアパレードVIPレセプションに参加。地元のVIP(テレビ俳優など)や我々も紹介いただいた。

その後、19:30からパレードが開始されたが、パレード進行上、我々の一行は中々出発できず待機させられた。結局20時過ぎにパレードが出発。副市長やお祭り大使の乗ったオープンカーを先頭に、姉妹都市協会の方々は、徒歩でうちわを配りながら、また我々や浴衣を着た方々はトローリーに乗って約1時間パレード。25万人の市民が沿道に駆け付けた。

米国視察報告・シアトル港湾編(5)

2017.11.9

2017.7.28  18:00~18:30

 

シアトル港表敬訪問   Tom Albroシアトル港港湾委員長

Dan Thomas シアトル港港湾チーフオフィサー

【シアトル港 概要】

シアトル港湾委員会/シアトル港湾局

ワシントン州やシアトル市から独立した行政機関であり、港湾委員会はキング郡から選挙で選出された5名の委員で構成されている。最高意思決定機関であり、シアトル タコマ国際空港も運営している。

年間取扱コンテナ個数 約353万TEU(2015,世界42位/シアトル・タコマ港)

神戸港との取扱個数は、シアトル港84TEU、タコマ港48,627TEU

(2016)

 

委員長)神戸とシアトルが60周年を迎え、このような関係が続くことは大変喜ばしいと思っている。シアトル港と神戸港が長い間交流を持ち、たくさんの情報交換ができることもうれしく思っている。今後どのようにすれば、さらに良い関係が築くことができ、さらに向上することができるか考えることが、お互いにとっては良いことである。日本はワシントン州にとって2番目に大きな輸出国であり、3番目に大きな貿易国である。先日、ビジネスセミナーを開催されたことだと思うが、ビジネス面でもシアトル港は大きなサポートをしている。そして、港湾がさらなる向上していければと思っている。このような沢山の神戸の方々がシアトル港湾にお越しいただき嬉しく思っている。ただ、一つ残念なことは、イチローがマリナーズにいないことである。

 

玉田副市長)私たち訪問団を受け入れていいただき感謝している。また、空港までお出迎えいただきありがとうございます。

1957年に神戸、シアトル姉妹都市提携、神戸港、シアトル港が提携しても50年になります。このような、記念の年にシアトルに来ることができ幸せに感じている。両港の関係が、より一層深くなることを期待している。神戸港は7月に、30年先を見据えた将来構想を発表しました。これは、神戸港が目指していく将来像の中に、クルーズ船客を増やし、ベイエリア開発をさらに進めていくことが入っている。これらのことをシアトル港に学ぶべきだと考えている。

今後もお互いに交流を進めていきたいと考える。

チーフオフィサー)5年前の交流45周年に神戸に訪問した。大変すばらしい訪問となった。その時、神戸とシアトルが大変よく似ている地形だと解った。山に囲まれており、港が目の前にあり、ウォーターフロントが開発されていた。

5年前には、シアトルにはなかったが、今は観覧車がありさらに神戸に似てきたと思っている。その時は、特に神戸港湾の方々から歓迎されたことは嬉しくおもっているので、本日は私たちが皆様を温かくお迎えしたい。

さらに交流を通して、親しい関係を築いていきたい。

 

※この後、記念品を交換して記念写真。

8:30からはシアトル主催レセプションに参加。

米国視察報告・マイクロソフト編(4)

2017.11.9

2017.7.28  14時~

 

マイクロソフト社訪問 【Executive Briefing Center】

 

キャンパスと言われるぐらい広大なシアトル近郊にあるマイクロソフト社に訪問した。

最初に、シアトル市会議長婦人であるMrs.Joanne Harrell からマイクロソフト社についての説明があった。

〇マイクロソフト社について Joanne Harrell 氏

マイクロソフト社は1975年ニューメキシコ州アルバカーキで、ポール・アレン、ビル・ゲイツ氏によって設立された。1979年にシアトルに本社を移転した。全世界125都市に展開しておりその中の半分は米国内にある。年間895億ドルの売り上げがある。

1000人以上の研究員に年間10億ドルを投資して、イノベーションを起こしている。

マイクロソフトは信頼のできるITシステムづくりのため、様々な取り組みを行っている。企業の社会責任を意識して、社会貢献のため寄付や環境問題にも取り組んでいる。

 

〇City Next Overview について   Trudy Norris-Grey 氏

 

マイクロソフトはシアトルの最も信頼されたパートナーである。こちらでは、都市の重要性についてまた、ナショナルプラン(国家計画)を担当している。

世界の人口1/2は都市に住んでいる。GDPの80%は都市から生み出されている。将来は2/3は年に人口が集中する。この計画の80%は経済発展につながるようにされており、それが経済成長につながり市民関与していく。また、都市は大きいほど生産性が高まる。

しかし、都市が大きくなるほど問題点が複雑になる。例えば、2020年 25億台の車が路上に出るようになる。そうなると、UberやRyfut社のような車両シェアサービスが求められる。下水、水道、エネルギー、安全性、緊急対応などの市民の期待にローコストで対応するにはどうすればいいのか?を常に考えてチャレンジをしている。

皆さんはどのようなチャレンジをするのか?

データプライバシー(個人情報)につてのデータセキュリティについても重要な課題である。

マイクロソフト社はユーザーの皆さんが安心して使用できる製品づくりを目指している。都市、まちをいかに安全・健康にするのか?市民が長寿、健康的な生活がおくれるか?などの戦略プランを考えている。そのためには、スマートシティの共有、温室効果ガスの削減、ディジタルシティへと継続して変革しなければならない。また、どのようなプラットフォームでも活用できるようにしなければならないと考えている。それが将来への橋渡しに繋がる。

 

戦略プランには5つのソリューションシナリオを挙げている。

  1. サステイナブル シティ
  2. ディジタル シティ
  3. セーフティ シティ
  4. ヘルス シティ
  5. エデュケイテッド シティ

ストリートファニチャーのようなストリートサービスもテクノロジーを使って市民に提供することができる。しかし、アプリケーションサービス作成には資金がかかる。

例えば、これらのことを活用してのスマートビルについてのプランがある。

ビル内のデータ収集を分析して、より効率的なヒト、モノ、エネルギーを使用するようにできる。また、ビル単位も1個から複数のスマートビル群を管理することもできる。

 

植中議員)トランプ大統領がパリ協定離脱を宣言したが、マイクロソフト社の温室効果ガス削減方針と矛盾するのではないか。

答)確かにトランプ大統領はパリ協定から離脱宣言したが、米国内では全都市が同意している訳ではない。国内40の都市がパリ協定を継続すると宣言している。それは増え続けており、マイクロソフト社もそう思っている。

 

山本議員)マイクロソフト社と行政の共同チャレンジがあれば教えて欲しい

答)シアトル市のハレル議長によると、シアトル市予算の54%が港湾関係に予算が割り当てられており、残りの予算の中から市民サービスに対応しなければならない。そのため市民問題には効率化で対応できるのではないか。

例えば、市民安全のためには警察にはボディカメラを付けることで発砲した場合には3mの誤差で場所が分かる。そして、すぐ駆けつけることができる。

公共交通は、Uberなどのシェリングサービスなどもアプリで対応できる。教育も講師が遠方からでも遠隔授業が受けられ、講師の移動も不要で効率的であるなど、マイクロソフト社は市民サービスの観点からもまだまだ効率化できると考えている。

〇 IoTソリューションの将来展望について

Enrique Audaluz 氏

 

将来的には人々が生産性を上げるため、AI、ロボット、人間、機械が共同で仕事をするようになる。そのためには、新技術の開発、しいては人々の益々豊かになる社会づくりを目指さなければならない。

マイクロソフトの役割、変化については次の通りである。

 

・Device Connectivity & Management

・Date Management & Light

・Advanced & Analyzed

・Business Productivity & Process Optimization

 

これらのことより、コネクションデータの役割、データの管理、AIでの利用につなげたい。

それらを使い、工場ではローコストな関係性を構築して、コントロールルームが拠点となり、より効率的な製造している会社もある。

例えば、SANDVIKというスウェーデンに本拠を置く工作機械メーカーがある。主に超硬切削工具、鉱山作業用輸送機器、ステンレス鋼帯などを供給している会社である。

マイクロソフト社の顧客でもある、SANDVIKからの声を聞くことも必要で、なんとか品質向上につながらないかという事で、ディジタルツインシステムという技術を採用した。これは、切削技術向上のため機械に処理能力を与えるというシステムである。切削機械のパフォーマンスが低下すれば、機械が発する微妙な振動を自動的に感知して、微調整してパフォーマンスを高めるというシステムである。

このように、マイクロソフトのIoTソリューションはこのような箇所でも活躍している。

 

 

次はマイクロソフト社の中枢部とも言われる、サイバーディフェンスについてのオペレーションセンター視察とレクチャーだったが、このマイクロソフト本社キャンパス内の別の場所にあるという事で、バスに乗り再び移動する。

 

 

16:35~

〇Cyber Defense Operation Center

※ここでは、録音、写真は一切禁止されておりメモを頼りにレポートをまとめました。また、場所も公表されておらず建物外部にも表記がないため何をしているオフィスかも分からないようになっていました。

 

ここでは、サイバー犯罪を防ぐために約100名の熟練した技術者が常に監視を行っている部署である。今や、サイバー犯罪は組織犯罪レベルでの対応を行っており、ハッカーは個人だけではなく企業単位での犯罪を行なっている。

そのため、我が社だけではなく他社も含めて業界全体での取り組みが必要となっている。現在は3兆ドル相当分が破壊されているが、2020年までには8兆ドルになるという予測である。ハッカーは2桁ぐらいのコードを変更、改良してハッキングするため、誰でも少しの知識と資金があれば可能である。これらは勝てる戦争というレベルではない。ひとつのゲームのような遊びであると犯罪者は考えている。被害者(PC)に潜入しているウィルス平均期間は140日である。その約4か月間は進入して情報収集している。

世界中の企業のうち、88%はサイバー犯罪を懸念しているが、12%は必要ないと考えている。マイクロソフト社はもちろん前者である。

このサイバーセンターでは、すでにウィルスに侵入されているという考えで対応している。まずは、個人向けのフィッシングメールから始まる。DDoS攻撃も増える。マルウェア、ランサムウェアは一番効果がある攻撃であり簡単でもある。

犯罪者の進化に対して、マイクロソフトも進化が必要である。

 

実際にミーティングルームを移動して、隣のオペレーションエリアをガラス越しに見学させていただく。

このセンターは365日24時間、オペレーションが実施されている。また、センター内50名のスペシャリティー技術者が対応中である。しかし、内部には50~60台のPCディスプレイがあるのだが数人しか勤務しておらず、訳を聞くとほとんどが自動化されており、各ディスプレイを見続けなくても良いとのことであった。全世界に100か所、3500名もオペレーターがおり、連絡を密にとっている。毎年10億ドルをこのセキリュティーに投資している。

事が起こるとチームで動くようになっており、そのチーム単位は危険ランクごとに組まれるようになっている。エリア内はモジュール化されており、拡大、縮小できる対応になっている。実際のエリアには、1列目→2列目→3列目をレベル重要性で列ごとに対応するようになっている様子であった。

エリアの雰囲気は、窓がありそこから外部の光が入り照明も明るく、普通のオフィスに見え、とてもここで、そんな需要なオペレーションが行われているとは感じさせない。しかし、トラックが突っ込んでも絶対に壁やガラスが破られないように工夫されており、外部のプランターなどで見えないように対策がとられている。屋上には発電装置、システムがダウンしてもクラウドでの対応ができるなどバックアップ対応も考えられている。

 

坊池議員質問)ここの熟練技術者が内部からのハッカーにならないのか。

社員がハッカーにならないようなモチベーション作りが様々に行われている。

外部から遮断しないように、窓があるのもその一つであるし、照明の照度、色も考えられている。それらの環境づくりと共に、職員をレッドチームとブルーチームに分けていることである。レッドチームの社員はマイクロソフトのシステムを壊すことを目的にしている。現在のシステムを壊すことで新しいものを作ることを通し、モチベーションを保つのである。自ら作ったシステムなので、自ら壊すことは容易く、そこで歯止めをかけているとのこと。

 

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