住本かずのり後援会
〒654-0051
神戸市須磨区月見山本町2丁目6-15
TEL/FAX : 078-735-8231
E-mail : suma@k-sumi.jp
11月14日(火)14:00~15:30
逗子市行政視察
「海水浴場の健全化及び活性化について」
逗子市では、2013年に起きた海水浴客同士の殺傷事件が契機になり、海水浴場の健全化について神奈川県、逗子市、地元住民、店舗組合などからなる協議会が立ち上がって議論が始まった。その年、ここでは人気音楽グループが経営する海の家が大人気で、73万人を超える入場客数があるほどであった。しかし、音楽による騒音、BBQから出るゴミ問題、若者同士のトラブルなど、人が集まるほど健全化が崩れていき、地元住民やファミリー層の足が遠のく状態になっていった。
行政では、神戸市の須磨海岸での健全化条例などを参考にして、日本一厳しい条例制定に向けて取り組みを始めた。そして、市長の決断で議会の承認を経て新たな「安全で快適な逗子市海水浴場の確保に関する条例及び施行規則」が改正制定された。
改正前:飲酒はどこでも可→砂浜禁止、海の家では可能
BBQ、遊泳区域外可能、海水浴場開設時間外は可能→砂浜禁止、海の家可能
(開設時間外も含む)
入れ墨、タトゥー、事業者露出禁止→利用者は他の利用者を畏怖させるものは禁止、事業者は露出禁止
音楽、事業者のみ規定有 →事業者は楽器、拡声装置使用禁止。利用者は、拡声装置禁止。アコースティック可。
営業時間、閉店20:30→閉店20:00
水上バイク、安全水域設定→安全水域拡大、海上での区域分けの更なる明確化
以上に改正されたのだが、海の家事業者からなる逗子市海岸営業共同組合からはあま
りにも厳しすぎるとの意見が噴出して、条例取り消しを求める裁判までに発展した経
緯がある。市は一時は、海水浴場を閉鎖するまでの覚悟を持ち交渉したとの事。
施行後は、来場客数は激減し半数以下にまで落ち込んだ。しかし、健全化は推進した現在は30万人を回復し、夏以外も様々な企画を実施している。例えば「海岸映画祭」など浜辺での映画会、「光の波プロジェクト」などを実施して一年中楽しめる海水浴場を目指している。そしてファミリー層、女性客に選んでいただける逗子海岸になった。
70万人を超える海水浴客が訪れる須磨海岸においても、逗子同様の問題がある。入場数(量)を求めるのか、健全化(質)を求めるのか、難しい課題である。神奈川湘南地区は数多くの海水浴場があり、差別化を図るためにも、いち早くターゲットを絞り健全化で謳ってファミリー層、女性層の取り込みに成功したとのことであった。しかし、多様な客層を対象としなければならない須磨海岸では、どこまでの規制をするべきか。BBQ禁止、喫煙は決められた場所以外禁止、花火時間規制、タトゥー露出禁止、テキーラ、ウオッカなどのアルコール度数の高い酒提供禁止など、日本でも厳しい規制を先駆けて実施してきた須磨海岸であるが、今年度も泥酔者の通報件数は昨年とそう変わっていない。ただ、監視を厳しくし早期の声かけを行った結果、緊急搬送数が減ったのは成果であったと思うのだが、アルコール度数の高い酒を外部から持ち込まれてしまえば規制も形骸化する。来場者全員をチェックすることも不可能である。泥酔者の通報件数、事件、事故などが増えるようであれば、逗子市のような全面飲酒禁止の検討も必要となってくる。また、須磨海岸のような広大な海水浴場であれば、エリア規制も可能であると考える。今後、他の海水浴場の規制等も検討して、地元事業者との意見も聞きながら、須磨海岸の健全化を促進したいと考える。
11月14日(火)10時~11時30分
「地産地消の推進について」
横浜市は、野菜や果物、花や植木、牛乳や卵など、いろいろな農畜産物が生産されている。西区を除いて、全ての区に農地があり農地は市域面積の約7.1%を占めているほどで、農地と住宅地が混在している都市である。
横浜ブランド農産物を「はま菜ちゃん」として認定してシンボールマーク目印をつけ販売している。また、JA横浜が開設している農産物直売所「ハマッ子」は全市に14か所あり直売している。出荷登録している生産者は1000人を超えている。
横浜市は、良好な田園景観の保全と地域の活性化を図るための「横浜ふるさと村」や市民と農のふれあいを図るための「恵みの里」など、市内6か所で農体験できる場所作りに取り組んでいる。
最も興味があったのが、平成27年度から施工されている「横浜市の都市農業における地産地消の推進等に関する条例」である。この条例により、市の責務、生産者、事業者、市民の役割が定められた。そして、市内農畜産物の利用を促進し、その魅力を市内外に発信することに努めている。本市においても、近郊農業が盛んであり地産地消に取り組んではいるものの、条例制定にまでいたっていない。この横浜市の条例を参考にして条例制定に繋げていきたいと考える。
以下の内容で質問した。
Q.小学生給食に地産地消を取り入れているのか?
A.年に一回は全市的に地産地消農産物を献立に調整して提供している。それ以外は、給食の食材調達は各区に任せている。JAと関係が強いところ(区)は地産地消が進んでいる。(データはないらしい)
Q.「横浜001」の認定基準は
A.市内の農産物を認定基準としている訳ではない。市内事業者が外部から仕入れ、加工しても「001」の名称が使える。審議会は設けているが、このブランドは食だけでなく、スカーフなどの小物類もブランド名称が使える。
経済港湾委員会 行政視察を行いました。
日時:2017年11月13日~15日
場所:●横浜市、八景島シーパラダイス「水族館アクアリゾーツについて」
●横浜市役所「地産地消の推進について」
●逗子市役所「海水浴場の健全化及び活性化について」
●箱根町役場「観光振興策及び保養所等転活用について」
以下順次報告していきます。
11月13日(月) 14時~16時
「水族館アクアリゾーツについて」
神奈川県横浜市金沢区八景島にある水族館・アトラクション・ショッピングモール・ホテル・マリーナなどで構成した複合遊園地である。
経営は民間会社(株)横浜八景島であり、株主は(株)プリンスホテル、京浜急行(株)、清水建設(株)、横浜銀行(株)など計7社であり西武グループの企業である。
1987年に横浜市の事業コンペ応募で優秀案に選定され、1990年会社設立、1993年開業という歴史である。
八景島は横浜市が埋め立てた造成島であり、そのうちの一部を貸し付けて八景島シーパラダイスを運営している。貸付期間は30年とのことだが、貸付料金は応えていただけなかった。総面積は約24haであり、貸付面積は約7.6haである。従って、八景島そのものは、横浜市が管理する公園のため、入場は無料である。
名称のアクアリゾーツは総合的な名称で、実際は「アクアミュージアム」「ドルフィンファンタジー」「ふれあいラグーン」などとそれぞれエリアが分かれている。
・ドルフィンファンタジー:まずここから見せていただいたのだが、文字通りイルカ展示を中心とした水族館である。トンネル状の水槽と円筒型の水槽で構成されており、私たちは、まさに水の底からからイルカを見る上げる形になる。見せ方が非常に工夫されており、まるでイルカ達と一緒に水中にいるような感じになる。円形水槽は、ぐるっと一周できるようになっており、どの角度からもイルカを観察できる。
・ふれあいラグーン:クジラ類を間近で観察できるように水槽の縁が低く設計されており、実際触れることもできる。ウエットスーツ着用で一緒に泳げるオプションも用意されている。ペンギン、ゴマフアザラシ、セイウチなどもおり、日替わりふれあいプログラムで実際に触れて写真撮影ができる。(料金要)
・うみファーム:コンセプトを「海育」として、食育プログラムが実施されている。ここでは、実際釣り堀から魚を釣り、調理して食べるということを行っている。釣り上げた魚は必ず食べることをルールとしており、魚によって料金が違い、アジは1匹190円、鯛は2500円との事でした。
・アクアミュージアム:ここがメインの水族館になり、日本最大級の水族館である。大水槽の中にアクアチューブがありエスカレータで上がっていく事ができ、目の前でイワシの大群泳が見られます。アクアスタジアムでは、海の動物たちのショーが見られます。待ち時間なども、観客達をステージ上のモニターで映すなどで楽しませる工夫をしていた。約30分のショーは、テレビ番組風に各コーナーに分かれており、登場動物がセイウチ、アシカ、イルカなど様々に変わりショーが楽しめるようになっていた。
施設視察後に説明を受け、質疑応答後終了となった。年間に八景島には約380万人が訪れ、そのうちアクアリウムには160万人入館する。設立後25年が経過しており、民間として生き残るためには、リピータの取り組みが必要であり、年間通しての企画イベント、定期的なハードの整備・開業など投資を続けている。営業推進部は、Event、広報、宣伝、WEB SNS、など様々なコンテンツを使って情報発信し、拡散を狙っている。また、積極的にCSR活動にも取り組んでおり、社会貢献にも継続的に取り組んでいる。
横浜市は、横須賀側の横浜南地区の地域振興策として人口島造成を通じて地域活性化を観光産業に求めた。そして、八景島シーパラダイスにより八景島都市ブランド向上に繋げたようである。これによって鉄道利用客数も大幅に伸び定期的な収入増につながることになる。この施設には、正社員約230名、アルバイト約500名と雇用を生んでいる。客単価は1名4000円との事であったが、詳細に料金が発生するシステムになっており実際はもう少し単価は高いのではないかと思う。
神戸市でも、新港突堤西部の再整備にアクアリウムが計画されていたり、須磨海浜水族園も民間資金による建て替えも予定されている。須磨水族園などは、近隣の須磨海浜公園、ヨットハーバーなどのシーサイドゾーンを利用しての一体化したアクアリウムゾーン計画を立てることなどで、公園を中心とした民間活力導入のPMO事業ができないか検討するべきであると考えさせられた視察であった。